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あっけない幕切れか?
2020/01/13 11:45:01 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

緊張感の高まる状況の下、イランでおきたウクライナ航空機墜落の原因は、当初の見解を翻し、一転、イラクがミサイル誤射を認める形で決着をみた。



事故当初は原因をエンジントラブルだと主張していたイラン航空当局も、複数の撃墜を示す証拠の存在が明らかになるに従い、誤射を認めないことには、対アメリカだけではなく、国際社会での孤立は避けられず、更なる経済制裁と国内世論がハメネイ師への反発に動くことを恐れたのだろう。
もし誤射だとしてもブルドーザーで現場の証拠を隠滅し、フライトレコーダーも破壊すればなんとなると考えていたイランの目論見は、衛星やスマホの発達によってあっけなく崩れ去ったのかも知れない。


誤射であるとイランが認めたのだから、ボーイングB737NGの機体に問題はなかったとして、ここで石垣空港メモリアルの仕事を終えてよいのかも知れないが私が勘違いしていたことと、感じたことがあるので、今後の課題として書いておこうと思う。



それは墜落場所である。
真っ向から反発していた軍による誤射を認めたことで、イランの言うことなど何の根拠もなく、あてにならないと世界に印象づけた感はあるのだが、どうやら全部全部が嘘でもなさそうなのだ。
現場のデータがなかった当初、FR24のデータから、レーダーからの消失点で爆発し、ほぼその近くに落ちていったものと考えていたが、ミサイルがヒットした地点と墜落地点との間には直線距離で16kmほどあり、ミサイルを受けた後も何がしかのコントロールは効いていた可能性があるのだ。
位置的な関係をまとめると下図のようになる。



イラン航空当局の言う「空港に戻ろうとしていた」という発表は、大嘘だと考えていたが、これを見る限り完全には否定できないように思う。
黄色で描いた点線のコースはこんな感じなのか?と、レーダー消失点と墜落点をなるべく自然につないだだけの想定飛行ルートだが、1500mの高度からこの距離を飛ぶとすれば、かなり航空機としての空力的特性をミサイルを受けた後も維持していたと考えられるのだ。ミサイル着弾により大きく破壊され、質点に近い物理特性であったとすれば着弾したときの飛行ベクトルの延長上に自由落下に近い状態で墜落しているはずだからだ。



また、レーダー消失からなぜ点線の飛行経路を想定したかといえば、最終的に墜落場所の残骸の散乱状況から上図のような方向でかなり、浅い角度で前進速度を保ったまま堕ちて行ったと思われるからだ。
これはNGにも昇降舵系の配線に短絡の危険が言われているが、そうしたメカニカルトラブルではないことも示している。


推定される墜落の方向はこうだ。
不幸中の幸いと言う言葉はこの場合、適切ではないけれど、もう少し手前に落ちてたら乗客乗員以外にも多くの死者を出すことになったと思われる墜落現場である。



真上から見るとこのような場所で残骸はこの線上に400mに渡り散乱しており、墜落の衝撃で垂直尾翼が外れ前方まで飛ばされたのかウクライナのマークのついた垂直尾翼がポツンと草地に落ちている映像がしばしば報道されている。



この状況からすると地上からの映像では機体は大きな火の玉にはなっていたが、大きく飛行能力を奪われることはなく墜落地点まで飛び、その時点では多くの乗員乗客は生きていたのではないか、176名の人命を奪ったのは、多くが墜落による衝撃と火災によるものではないかと想像される。
ミサイルが当たってばらばらになってしまわないのかは専門ではないのでわからないが、今回のように着弾した高度が低ければ胴体に多数、穴開いたとしても与圧によって破壊されることはないかも知れない。
もちろん最初に強硬に主張していたエンジントラブルが原因だったというイラン当局の説明に根拠はないし、自ら認めたのだから、墜落原因が誤射だったのは間違いないだろうが、重大事象が発生して無線コンタクトもないまま、PS752は偶然か必然か現段階では不明だが、空港へ戻るような形で飛び続けたのは事実のようだ。
ここにFR24にエマーム・ホメイニ空港を離陸するPS752と他の航空機の飛行コースの履歴がある。比較しても特に変わった経路ではない。







当日はイランの弾道弾によるイラク拠点への攻撃があり、更なるアメリカの報復攻撃が予想される緊張感の高まった状況であったとはいえ、自国の空港から通常に離陸する旅客機を巡航ミサイルと間違えて対空ミサイルを撃つものだろうか?
本件を「イラン革命防衛隊の誤射の撃墜にて一件落着」として、これ以上の情報が開示されるなくなることを危惧する。墜落の経緯には、誤射の事実だけではなく、まだまだ明らかにされねばならないことは多いのだ。トランプ大統領の微妙な言い回しにも何か隠している裏取引があるんではないかと疑いだせばキリがない。
ちなみに今回のように国際関係の緊張のなか軍の誤射によって、今までも多くの関係のない民間人の命が奪われてきた。
隠し通すことをあきらめ誤射と認め、謝罪もしたのだから隠滅しないでDFDRやCVRのデータは明日の航空安全に資するものとして開示し、原因とともに墜落までの経緯を明らかにして欲しいものである。








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ウクライナ機墜落、原因究明が困難に
2020/01/10 10:44:25 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

イランでのウクライナ機墜落原因に関して、イランをはじめ他国の報道でも、ミサイルや爆弾テロではなく機体そのもののトラブルだろうと推測してきたメディアも論調が変わりつつある。


今回の事故機 ウクライナのB737−800(UR-PSR


どうやら、昨日まで爆弾テロやミサイルを否定し、機体のメカニカルトラブルを墜落原因だとろうと報道していたメディアの多くも撃墜説に傾きつつあるように見える。


その理由は、爆弾テロやミサイル攻撃ではないとする明確な証拠が示せていないことに加え、昨日、アメリカが発表した同日、同地域での2発のミサイル発射を検知しているという情報や、機体の残骸に見つかる細かい穴、さらに現場からミサイルの破片が見つかったという未確認情報などもメカニカルトラブルからミサイル攻撃へと推定原因の流れを変えた大きな要因になっていると思われる。


ミサイルの小さな破片で外部から抜けたようにみえる穴

更に、墜落がアメリカへの報復攻撃の直後であり、イランもアメリカの更なる報復攻撃に備え対空警戒を行っている最中であること、また早朝の暗闇もあって視認しにくく防衛システムの誤射の可能性を払拭できないことも、ミサイル攻撃なのではないかと疑う根拠になっている。
現状、これを払拭するには、イラン側が爆弾テロやミサイル攻撃ではなかったとする新たな証拠を提示する必要があるだろう。
イラン側の主張が正しいのであればアメリカ側が要求するように、せめて信頼のおける第三国にでもDFDR,CVRを提出してもらえれば、この点ははっきりするし、出さないこと自体がミサイルでは?との疑惑を抱かせることになるだろう。

個人的には、前回の火の玉になって墜落する動画を見た感想として述べたように機体内部の原因にしては墜落の仕方が不自然なことも気になるので、実はミサイルによるものでした!という決定的な証拠が出る方がすんなり納得が行く気がしている。
またその証拠が出てくれば、もはや機体側の不具合についてこれ以上、ここで議論する必要もなくなる。



ただし、この決着は容易にはつきそうにない。墜落した場所であるイラン主体で事故調をすることになるだろうが、ご存知の通りイランとアメリカは戦闘状態にある。
DFDRデータなどの情報のやりとりはもちろんのこと、国益も絡み、国際問題となってしまうから事故は現実であっても調査で真の原因にたどり着くかは不透明だ。
また原因が特定されたとしても統一した見解は作成しにくく、発表はまるで違う2つのものになる可能性が高い。



墜落したB737NGは世界中で飛ぶもっともポピュラーな旅客機のひとつ、しかも現在グラウンドされ安全の担保されていないMAXへとのつなぎにあたる機体であるので、もしこのNGにも不具合があるのだとすれば今回の事故に関して機体の正確な情報が欲しい。

両国の情報操作が行われ真の原因究明、再発防止を前提とする通常の事故調とは異なるスタンスの調査環境では困難な活動であるけれど、ぜひともメディアには正確な情報をつかんで発表していただきたいと願うのみだ。




さきほど公開された撃墜の瞬間といわれる映像。果たして本物なのか。ミサイルが命中し二つの光に分離し、しばらくの間飛行しているように見える。また、この後10秒ほどしてもう一発の発射音が聞こえるが、これがアメリカが2度の発射を確認していると言われる所以なのかは不明だ。









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イランでウクライナ機墜落
2020/01/09 14:54:11 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

ソレイマ二指令官殺害に対するイランの報復攻撃が行われた時を一にして起きたイランでのウクライナ機の墜落事故は時期が時期、場所が場所だけに、事故原因についてさまざまな憶測を呼んでいる。




そして、墜落した機体がB737−800でありNGシリーズで、その発展型であるMAXが2度の連続事故を起こし運行停止中であることから気がかりを感じないではない。
MAXと異なりMCAS問題のような機体の設計ミスや無審査でパスした欠陥がある可能性は低いのではないかと現段階で考えてはいるが、逆に言えばJTAも、ANAも使う機体と同一機種での事故であり、石垣空港では、もっともポピュラーな飛行機であるだけに今後の情報には注意を払う必要はありそうだ。



当該機のフライトデータを見てみよう。エマーム・ホメイニー国際空港をテイクオフしてわずか3分で飛行データは途絶える。
最後のデータは高度約8000ft(2400m)、速度280kt(518km/h)でまだ上昇中であることから、この高度に達したときに機体には何らかの異常が発生したと考えられる。



そして、その後、本機について確認されたことは空港から北西約20kmの地点に墜落し、乗員乗客176名の全員死亡したことである。
B737MAXの事故とは違うとは言うものの、この離陸直後の墜落という共通点もあり、傾向としては嫌なものを感じる。
原因は今のところ撃墜とかテロの可能性は低いとされ、機体のトラブルによるものと言われているが、よりによってイランでの事故ということもあり、回収されたフライトレコーダー等を航空機製造国アメリカへ提供することを拒んでいるとのことで、事故原因の特定には時間がかかることも予想される。




そんななかで現在、もっとも有力な手がかりとされているのが墜落したPS752便を撮影したとされるこの動画だ。
未明なので暗く機影は直接は見えないが、明らかに火を噴いて墜落してゆく様子が確認できる。
しかも、かなり大きな火の玉で、エンジンから出火したとしても、直後から機体自体が大きな火に包まれているように見える。ミサイル攻撃でなければ燃料への引火しかなさそうだ。
まったく不謹慎ではあるがこの時期だ、赤外線誘導ミサイルでの撃墜であってくれた方が、機体の問題ではないとして処理でき、ひごろNGに乗る乗客としてのメンタルには良いのだが。



機体は落下してゆく途中で、火の玉が闇夜に点々とつながったり、途中で大きな爆発を起こしながら、地上に激突したときのものだろうと思われる闇夜を明るく照らす最後の大爆発で動画は終わっている。(写真下)



原因はメカニカルトラブルとも言われていますが、バードストライクやブレード飛散などの単純なエンジントラブルだけであれば、このような大爆発から墜落事故につながる可能性はまず低いでしょう。
また機体はまだ製造後3年で、燃料系、ケーブル類の経年劣化は考えにくいですし、最後にうけた定期整備は事故直前の1月6日だということで、機体やエンジン不良に起因するものではないのではないか?本当に爆破、撃墜、テロの可能性がないのだとすれば、整備時の問題なのかも知れません。
現在もB737NGではMAXの問題とは別にCFM56−7Bエンジンの腐食問題、構造部材のピクルフォークの亀裂問題、またMAX問題と絡んだエレベータ制御系の短絡の不具合の可能性も指摘されていますので、MAXでボーイング本家が揺らぎ、FAAも頼りにならないことが分かったこの時期に頭の痛い問題がまた増えてしまった気がしています。
B737NGには日ごろの足として世話になっている我々としてもB737NGの機体そのものには無関係な原因であることを早期に確認して欲しいものです。
DFDR,CVRが出てこないのだとすれば、イランには本当に誤射等の可能性はないのかも確認して欲しいと思います。


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退いてもなお残る疑問
2019/12/27 14:52:34 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 MAX問題

良い飛行機をつくる上において問題は人。航空のリーダー、アメリカ社会にも抜本的な働き方改革が必要なようである。



 引責辞任に追い込まれた米航空機大手ボーイングのミュイレンバーグ前最高経営責任者(CEO)が、退職金などとして最大6千万ドル(約66億円)を受け取る可能性があることが、米メディアの試算で明らかになった。「クビになったCEOへのゴールデンパラシュート(黄金の落下傘)」などと、巨額報酬に疑問の声が上がっている。

すなわち企業を窮地に追い込んだCEOが責任をとって辞めるにあたって巨額の富を手にする。
辞めさせられたら、自己都合ではないとして割増しまでつくかも知れない。
これでは企業で働く意味を根本的に問い直さねばならないだろう。
航空機メーカーの役員が優秀な航空機を生み出すことよりも個人の財を成すことを優先して業務を遂行していては、今後も企業の回復は見込めないのではないのか、という大きな疑問だ。


同氏は主力機「737MAX」が相次ぎ墜落事故を起こした末、対応のまずさから職を追われた。ボーイングは退職一時金の扱いは公表していない。

 ただ、米証券当局への3月の届け出によると、退任時に受け取る自社株などは「引退」「死去」などの場合で約3240万ドル。会社都合の「レイオフ」では、これに約660万ドルの契約解除金も加わる。さらに、約1300万ドル相当の年金なども受け取れる。株価の動きなどで金額は変わるが、米CNNは、総額で約6千万ドル以上になる可能性があると報じた。


先日、インドネシア機墜落の直後から彼の正しい判断と行動があれば、少なくとも2度目のエチオピアの事故は防げた可能性が高いという個人的見解を述べた。
したがって、インドネシア機墜落直後に辞めさせるのであれば人命を救うため追い銭としては仕方がなかったとあきらめることもできようが、その後もマヌケな対応に終始し、更に人命を奪って組織の信頼も失わせているにも関わらず退職金上乗せはあまりにも不合理で、犠牲者の気持ちを逆なでするものだ。

親族の女性(24)をエチオピアの事故で亡くした消費者運動家ラルフ・ネーダー氏は26日、「ボーイングが原因となった墜落で計346人を死に追いやっておいて、なぜこの報酬なのだ」とで批判した。
 クリントン政権で労働長官を務めた米経済学者、ロバート・ライシュ氏も「数々の経営の失敗にもかかわらず6千万ドルのゴールデンパラシュート。米国は、その他全員には資本主義なのに、富める者にとっては社会主義だ。メリークリスマス!」と皮肉った。

至極まっとうなご意見だと思う。そこにあるのは特権階級の存在。誰でも努力をすれば成功に対して報酬を得られるというアメリカンドリームの精神は、微塵も感じられない。

米国では、不祥事や業績不振で地位を追われたCEOらに、退職金などとして数十億円規模が支払われる例が相次ぐ。外食大手マクドナルドは11月、「従業員と関係を持った」との内規違反でイースターブルック前CEOを解任したが、米メディアは最大7千万ドル(約77億円)が支払われる見通しだと報じた。「失敗したCEOへの巨額の追い銭は、働き手の士気を下げる」(米シンクタンク研究員)との批判も出ている。

当然だ。これでは、まともな物はつくれず、詐欺まがいの商売が横行し、行動が伴わない口先だけの対応をトップ自からが推奨しているようなもので社会が崩れる大きな原因なのではないだろうか。
今回、航空機業界で販売の伸びている最新鋭機のB737MAXの事故を契機として、航空機の安全を問い直し、その原因と対応について追いかけてきたが、技術よりも金という経営者の体質にこそ、事故の源流はあることがわかる。
そう思ってみると、かつての技術大国アメリカのほころびはあちこちに見られる。

かくして命を運ぶ航空機を扱うにも関わらず、まともに乗客乗員の安全に配慮しようとしない不誠実で疑問だらけの彼らの対応の裏側には、労働目的の最大関心事が株価と株主への配慮になってしまっている現状があったのだ。

直接、事故に結びついたMCASだが、今、人材確保を含んだシステム全体の改善なくしては健全な事態収拾案が立案できないものであることがわかる。
技術の場を離れて、人や組織の問題となると私の語れる範疇を超え今後の予想もつかないが、ボーイングの名前は、航空史において輝かしい実績を刻んで今に至る。また良い飛行機が作れる会社になって欲しいと願うものである。


参考




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ボーイングCEOが退任
2019/12/24 13:16:07 ブログカテゴリ オタク | 書庫 MAX問題

ようやくですがボーイングのCEOマレンバーグ氏が退任されたようです



ボーイング社内では墜落事故後のミューレンバーグ氏の管理能力を問題視する声も出ていた。ボーイングは同日の声明で「取締役会は、規制当局と顧客、すべての利害関係者との関係を修復するために取り組んでいる。ボーイングが前進する自信を回復するために、リーダーシップの変更が必要だと判断した」とコメントした。

ようやく辞任されたとはいえ、相当、遅きに失している感じがいたします。
MAXがインドネシアで墜落して多くの死者を出しているときに機体に起きた問題に言及せず、真実を語らず「安全には自信がある」とか「その方法は我々が知っている」とか寝言ばかり言っておられた方です。
インドネシアについでエチオピアで2度目の墜落事故が起きてさえ、共通の原因があるかどうかわからない、と、何の技術的根拠も示せず、自らは運行停止措置をとるでもなく、勝手な再起への線引きをしているCEOに管理能力があるはずはありません。
この航空機の安全に無知なCEOを1度目の事故後、即座に辞めさせ問題事象に真摯に向き合っていれば、少なくともボーイングへの信頼が失墜したり、ここまでMAXの問題はこじれていなかったはずですし、個人的にですが2度目の事故は防げたと考えています。

ミューレンバーグCEOは737MAXについて「2019年中の運航再開を期待している」とたびたび発言。米連邦航空局(FAA)幹部が今月の米下院の公聴会で「年内の再開はしない」と明言し、「決めるのはボーイングではなくFAAだ」とミューレンバーグ氏にクギを刺す場面もあった。

沈黙を保っていたFAAが釘を刺したのはつい先日ですよね。
ボーイングとの癒着ぶりが問題視され、ここまで何も言えなかったFAAにも大きな問題があったのは明らかです。
今ではグローバルなデファクトスタンダードであったボーイングにもFAAにもどちらに対しても世界からの信用はなくなり、航空先進国では、彼らが認証しようとも自分たちで別途、安全を確認するという事態になっているのです。

新型機には初期不良はつきものですが、今回のMAXについてはその範疇を超えます。
それを設計し、また承認してきたメーカーや型式証明を与える耐空性審査のシステムそのものの問題が大きく横たわっています。
果たして、後任のCEOデビッド・カルホーン氏がこの難局を立て直すことができるのでしょうか。
絵に描いた餅で現実、有り得ない復帰へのスケジュールを繰り返し、ここまでこじれた原因は確かにCEOの人間的な問題が大きいでしょうがCEOを辞めさせて済む問題ではまったくありません。
MAXの本質的な問題は技術的な課題克服であり、安全を担保するには、インドネシアの最初の墜落時以来、ずっと問題視されてきた従来機と整合性をとるため無断でインストールしたMCASをどのような形で耐空性に合致するように修正し、飛行の安全を保証するかです。
すでに不信を抱いているパイロットへの周知やトレーニングも含め、まず乗客、乗員の安全について議論されるべきであって投資家の気分次第で上下する株価だけ見ての対応では事態は悪化させるばかりです。
FAAにもボーイングにも適切な人材がいなければコスト優先で首を切った技術者の再雇用が必要でしょうし、第三者の知恵を入れてでも失地回復を目指させねばなりません。

世界経済はもちろんのことボーイングの担う世界航空への期待は非常に大きなものです。
ボーイングはジェットエアライナーの老舗でもあり、ライバルであるエアバスにとってもつぶすことはできない世界企業でもあり、また彼らからも消滅を望まれてもいません。
今回、なし崩し的に壊してしまった人間と機械のインターフェースについても確固たるフィロソフィーを持ち、エアバスと切磋琢磨することで頂上を目指すべき企業のはずです。

人命を乗せる飛行機の安全はAIの現代においても手放しで確立されているものではありません。新しい技術を取り入れる際には真摯に自然の摂理と向き合い、安全を確保した上でコストとのバランスを図らねばなりません。
とても難しいことですが、「空気よりも重たい人間を飛ばす航空機」そこには人類の英知の結集が求められると同時に、社会の模範となるべき責任があると考えます。

B737シリーズの発展型ということで石垣島の空の未来に直結する問題だったことから、このブログでも注視し、今までにないボーイングの不誠実な対応には事ある毎に疑問を呈してきました。
事故後にやるべきことは明確であったにも関わらず、迷走し、ここまで事態を悪化させてから、ようやくCEO交代かと思うと規制当局の能力の限界も感じ、非常に残念であると同時に、今後、アメリカ一辺倒ではない航空機のあるべき姿が世界の中で並立してくるだろうことが予想され、かつて世界初のジェット旅客機コメットが連続事故を起こしエアライナーの主導権がイギリスからアメリカへと移っていったような大きな航空の変革期を感じます。






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