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市場に広がる楽観視の危険
2019/11/13 12:13:36 ブログカテゴリ オタク | 書庫 MAX問題

ボーイング株が大幅高−737MAX運航再開に向け詳細な計画示す

11日の米株式市場でボーイングの株価は大幅高となった。旅客機737MAXの運航再開に向け、より詳細な計画を示したことが好感された。計346人が死亡した2件の墜落事故を受け、737MAXは3月から運航停止となっている。

  米連邦航空局(FAA)は、設計を改めた飛行制御ソフトウエアを12月半ばまでに認証する方向にあると、ボーイングの広報担当ゴードン・ジョンドロー氏が電子メールで明らかにした。認証を確保すれば、納入されず太平洋岸北西部やテキサス州に置かれたままの新しい737MAX機の引き渡し開始に道が開かれ得る。






ボーイングから聞かれるのは、2度のフェータルな墜落事故に至る具体的な説明でも安全性への説明でもなく、いつ空に復帰させるかという希望的観測のみだ。
毎回、述べているけれど、ボーイングをこのまま衰退させるわけには行かない現実の問題はあるにせよ、経済的事情と空の安全を確保する問題は別だと考えるべきだ。
このMAXを墜落させた原因について多くの疑惑や証言があるにもかかわらず、運行再開に対する期待値で株価があがったからもう大丈夫、そんな空気が市場にあるのだとしたら実態とその期待値との間には絶望的落差があることを指摘したい。

どうして、このような事故が連続して起こったのかについて、「我々は間違った」と言いつつメーカーであるボーイングからも、またそれを承認したFAA側からも経緯の詳細が述べられてはいない。
すなわち、ポイントは墜落した飛行機の根源的な原因を放置したまま、最終的に墜落の引き金になったソフトウェアをいじりましたから、これからはMAXはもう大丈夫です。と、言われて簡単に信用して良いものなのか、だ。
大きな過ちがあっても気づかず承認してしまう方々の発言をそこまで信じるのは、根拠のない自信というか、安全神話の妄信としか映らないではないか。





もちろんMCASも問題のシステムだが、これが報告も審査もされずに通してしまった認証プロセスの欠陥には目をつぶり十分な原因究明も対策もないまま、MAXを空に戻すことは個人的には自殺行為だと思っている。ほかにも同じような問題が何も無いといえるのだろうか。
更に今後の機体開発も同じ調子で大丈夫なのだろうか。
楽天的な復帰への展望的観測に対して、今まで指摘してきた事柄を踏まえ疑問を投げかけるとしたら・・・

・アルバイトにつくらせているソフトウェアのコードの欠陥を経験あるエンジニアを辞めさせてしまった今、誰が正しく修正するのか?

・FAAに機体を審査する能力がないことが指摘されている今、修正したといわれたプログラムについて誰が適性な審査するのか?

・NGと同じですよ、と機体への改変も情報公開もされぬまま、つんぼ桟敷に置かれていたパイロットたちへの正しい情報提供や訓練も含めMAXへの信頼をどのように取り戻すのか。

・MCASについて承認手順にミスがあり、現時点でMAXは耐空性を有していない。
これを今後、どのように確証をもって承認してゆくのか具体的手順が示されていないではないか。

・MCASをカットすれば縦の静安定の条件を備えず、これをMCASで担保するなら既存のB737シリーズとは異なる航空機となる。非常時にMCASをカットして飛行して良しとする根拠が見当たらないではないか。

・コスト優先で現場での不具合報告や専門家の忠告に耳をかさない技術に無頓着な経営体質をどのように今後、改善し航空機の安全を担保してゆくのか。

・運用再開に際して、MAXを利用する顧客に対し、どう納得させるのか。
素人は乗る航空機に内在する欠陥や対策の妥当性なんてわからないし、知らせる必要はないと考えているのだろうか。

・・・



少なくとも、乗客を乗せて運行を再開するつもりがあるのなら、そうした周辺の不安材料に触れ、この航空機の安全確保の見通しを示してほしいものだと思っている。
また運行再開するにしても本国アメリカからの再開になるので、欧州のEASAやカナダは運行停止を続け自主的に独自に安全性を確認しながら、注意深く様子を見守ってゆくものとみられる。
言い換えれば、MAXの安全性についてアメリカ国民が試金石になるという歴史上、稀なケースになると言えるだろう。

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ボーイングCEO「我々が間違い犯した」の内容
2019/10/31 01:39:46 ブログカテゴリ オタク | 書庫 MAX問題

米ボーイング、安全より利益優先と非難され 米上院公聴会



10月29日、737マックス8型機の墜落事故に関する米上院公聴会に出席した、米ボーイング社のマレンバーグ会長 BBCニュース

去年10月と、ことし3月に起きた737MAX8の墜落事故をめぐって、ボーイングのマレンバーグCEOは29日、一連の事故のあと初めて、アメリカ議会上院の委員会で証言しました。

マレンバーグCEOは、哀悼の意をあらわすとともに、「ボーイングは過ちを犯した」などと述べて、機体の傾きなどを制御するシステムの不具合が事故につながったという認識を示しました。


とのことなのだが、以前から感じているように、ボーイングのCEOであるこの人の戯言を聞いていても、今のボーイングの状況にとっても航空機の安全性の改善にもつながらないと思うので、内容が専門的で難しいこともあり、ポイントをまとめてもらうには、やはりこのおじさんに登場してもらうしかないと思う。



MAX事故以来、このメモリアルにも頻繁に登場していただいているblancolirioチャンネルのJuan Browneさんだ。
事故後、MCASについてもその問題点に早くから注目をされ、ご本人も豊富な経験を持つパイロットであることから深い洞察をもって解説されていた。
マレンバーグ氏がこのサイトを真剣に見ていれば、少なくともエチオピアでの2度目の事故は防げたと私は思っている。





Browneさんは公聴会を聞いたうえで彼自身の感想と今後の課題についてマイオピニオンとして主張されている。本当に耳を傾けなくてはならないのは、命や幸福をコストや株価で考えるマレンバーグ氏の寝言ではなく、このBrowne氏の言葉だと思う。

一方で、私が個人的に関心があるのは犯罪捜査ではなく、今後、どのようにしたら航空機の安全性を担保しながら新型航空機開発を進められるのかという点のみだ。
時代とともに航空機の事故率は下がり、空の安全性は増しているかのように感じていた裏側には思わぬ落とし穴があった。
少なくとも、いままで磐石だと思っていたボーイングやFAAの体制だけでは、今後、航空機の安全性を確保することは難しいのだということを346人の人命と引き換えに知った。いま、これを無駄にしない努力が我々に求められている。





MAX事故を調べてゆくなかで私自身が認識を変えていったことをあげると
 
・ボーイングはコスト削減のために、経験豊富な技術者を切り、今では飛行機を知らない人がつくってる。(貴重なノウハウが継承されない、設計の意味が理解できていない)

・そこでは経済が優先され、賃金の安いバイトも使われ、お互い同士の意思疎通が十分でないため間違いが起こる。(MCAS自体、スピードトリムの延長として高速側のストール防止として出発したものが変容した?)

・ライバルとのシェア争い。コスト、納期といった企業側の圧力があり、現場で問題が起きて報告をあげても、社内に拾いあげたり対応できる体制がない。

・FAAには新しい機体を審査するだけの人材がいない。

・メーカーとFAAが癒着することで、型式証明が本来の意味をなさない。

・事故後の国際合同調査チームもNTSBも事象を調査しリコメンドはするが、指導する強制力はない。

・飛ばしている飛行機の本性を知らされることなく、パイロットはつんぼ桟敷に置かれている。墜落の責任は負わされるにも関わらず・・・

・半世紀以上前の設計に14度もの改修を加えて別機になっても、B737と言い続ければ共通のタイプレーティングで通ってしまう。





などなど、常識と思われた前提が崩れたことで、今後の航空機開発の現場では今までとは異なる基準作りが必要とされることだろう。
また原因となった経済偏重はアメリカだけのことではない、いま世界中で行きすぎた経済競走によって人間の足元が危うくなっているのだとすれば、航空機を航空機の枠だけで考えていては解答を誤るのかも知れない。
果たして世界中でどのくらいの人が飛ばなくてはならないのか?今後、どこまでの航空需要をフォローすればよいのか。
そこには温暖化の影響や地球規模の災害も増えるなか地球環境の一環としてとらえるマクロ的な視点も必要かと考える。

また、航空初期のころ、飛行機はよく墜落し死亡事故となる危険な乗り物だった。飛行機は多くの関係者が永年の努力を積み上げて、一般人の家族旅行にも使える交通手段にまで大事に育てあげた人類史上でも稀でスマートな乗り物なのだ。
神ならぬ人の行い故、思わぬ事故は起きる。しかし、そこから学び同じ過ちを起こさない気構えが航空に関わる者の誇りなのだ。
真摯に技術に向き合わずMAXを空へ復帰させることしか念頭にないCEOには、早期に退陣していただきたいと願う。



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737MAXにおける合同調査チームの限界
2019/10/20 12:57:56 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 MAX問題


B737MAX問題に関して立ち上げられた10カ国の合同調査チームが10月11日,FAAに対してテクニカル・デビューを提出した。



調査メンバーの中には日本も入ってはいるが、事実上、当事国の米国も入っており、ものが言えるのは欧州やカナダなどごく一部の国だろう。
その中身も非常にわかりにくく、母国語でない私には要点がつかみにくいが、結局MAXの認証を与えたFAAに対しての推奨事項のような形になっているようだ。


航空新聞社はその記事の中で

 計12項目を挙げた改善推奨事項のなかでは、737MAXの認証プログラムに関与したFAAのスペシャリストの数が不十分だった可能性があると指摘。
いくつかのケースでは、FAAのボーイング航空安全監視事務所(BASOO:BoeingAviationSafetyOversightOffice)のエンジニアは、737MAXの技術的な面に関する経験と知識が限定的なものだったことにも言及した。

以上はMAX事故で最初に感じた疑問の部分。すなわち「監督すべきFAAがメーカーと癒着して独立して機能していないのではないか?」、「FAAは世界の航空安全をリードしてきた最高権威ではなかったのか?」だ。
しかし、現実、FAAはMCASについてもまったく知らないか、もしくは十分な機能についての理解がないことがわかった。そして、記事はさらに続く。

 さらに、737MAXプログラムで認証活動を行っているボーイングODAエンジニアリングユニットメンバー(E-UM)に対する過度の圧力の兆候が報告され、この委任システムによる保証レベルがさらに低下しているとした。
 この件について合同調査チームは、ボーイングが実施している業務の範囲に見合った認証および監督業務を適切に実施することができるように、FAAが十分な数の経験豊富な専門家がいることを確認するために、BASOOエンジニアのスタッフレベルの従業員レビューを実施することを推奨。

リコメンドという形で表現を和らげてはいるが、本来、監督官庁であるFAAはメーカーにおんぶにだっこではなく自ら責任をもって内容を把握すべきで、その能力を持った人材をFAA内に抱えておかなければ話にならんだろ、と言っていると思われる。また、技術者に対する社内での圧力についても言及している。

FAAはボーイングODA作業環境およびODAマニュアルを確認して、ボーイングODAエンジニアリングユニットメンバー(EUM)がFAAに代わって決定を下す際に過度の圧力をかけずに機能するようにすべきとの認識を示した。その上で、このレビューには懲戒処分やプロセス違反を恐れることなく、EUMがFAA認定エンジニアとのオープンなコミュニケーションを確保することを含める必要があるとしている。

この点が今、事故の背後で決定的に欠如している開発環境ように思われる。
航空機のシステムは、ボーイングが得意とするアナログ機の時代より複雑になり、既存の知識だけでは判断できない事案が多く発生する。そこで必要になるのが飛行機を理解している技術者がものの言える職場、オープンなコミュニケーション環境だ。
MCASの存在は操縦するパイロットにばかりか、FAAとの間ですら十分に認知も協議されないまま認可されてしまった。
こうしてMAXの型式証明の裏には当初計画とは異なったMCASという見えない魔物が潜在することとなりAOAセンサーのトラブルに端を発し、重大事故となって姿を現したと考えられる。

以上、合同調査チームは強制力も指導力も持たないが、極力、客観的にレビューすることで認証過程であった問題要素を表出させた。経営的観点から技術者の忠告を抹殺したり、利益にネガティブな発言をする人間をはずすなど、退職した従業員の告発内容も勘案した形でFAAへの推奨事項としてまとめられたことだけでも合同調査は評価すべきものなのだろう。今後の航空機開発のあり方に一石を投じるだろうという期待とは、ほど遠いと感じると同時に国際関係の中でナーバスなパワーバランスへの配慮も限界も感じるのも事実だが。





こうした状況でも、アメリカン航空は2020年1月17日からMAXの運航を再開させる考えを示している。もちろん、認証過程にあった問題については一切、触れておらず、言ってみれば「具体的な安全確保の道はまったく見えないけど、いつまでも地上に置いておくわけにはゆかないので飛ばす」と公言しているように聞こえてならない。問題の体質について言及せずに飛行を再開をしても潜在する魔物が退治されたとは言えないからだ。
これに対しアメリカンでは同時にMAXアレルギーで搭乗を拒むお客さんについてはNG機への振り換えも考慮すると言っているけれど、MAX問題をただの風評被害だと考えているのだとしたらエアラインにもその病巣は広く伝染していると考えるべきなのかも知れない。




今後、安全な航空機の開発や製造や運行はどこに委ねればよいのだろう。スペースジェットのこともあり、まったくの他人事ではないのだ。

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Joint Authorities Technical ReviewBoeing 737 MAX Flight Control SystemObservations, Findings, and Recommendations


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B737NGの取付金具に亀裂
2019/10/16 03:59:07 ブログカテゴリ オタク | 書庫 MAX問題

ボーイングは運行停止中のB737MAXの問題もある中、新たにB737NGシリーズの主翼のスパーと胴体を結合するピクルフォークというフィッティング金具にクラックが見つかり、対象となる30000サイクルを超えるNG機に点検指示が出された。
MAXの場合と異なり、今回は石垣島にやってくるJTAやANAでも使われており、また広く日本でも運行されているNGが対象であるだけに対岸の火事では済まない。内容を少し調べてみよう。



今回、亀裂が発見された機体は35000サイクルを経過した経年機において旅客機を貨物機に改修する際に発見されたもので、主翼の荷重を前後胴体へ伝えるピクルフォークと呼ばれる部品に約1インチほどの亀裂が入っていたという。







この件をトリガーにしてFAAからは10月3日付けで該当するB737NG機については7日以内に点検するようにADが出され、さっそく810機を検査したところ38機に亀裂が見つかったという。



問題の部品、ピクルフォークは上図のような下向きのV字型の形状をしており中央のボックススパーのウェブ前後左右の4箇所に取り付けられて主翼と胴体の荷重伝達の役割を担っており、通常はセーフライフ設計といい、本来90000サイクルにおよぶ機体設計寿命まで交換なく使用できる設計となっているべきものだ。





上図の赤丸が発見されたピクルフォークの亀裂位置だ。具体的に亀裂発生のメカニズムはまだわかっていないが、当初推定されていた90000サイクルの1/3程度の繰り返し荷重によって亀裂が生じてしまったものと考えられる。
今回、点検の対象となった30000サイクル以上の機体に対してクラックの発生率は38/810で4.7%だからかなり大きな比率と言ってよさそうだ。
これが製造時の問題なのか運用の問題なのか、はたまた設計そのものの問題なのかは不明だ。
尚、ボーイングは、今回の不具合はMAXや対潜哨戒型のP−8に関してはNGとは別物なので問題ないといっているが、クラシック機は別として、NGで再設計された主要構造がこれらで大きく異なっているとも思えないので、運行停止で飛べないMAXは地上で繰り返し荷重が増えないこと、軍用機であるP−8は民間エアラインに比べるとはるかに飛行サイクル数が少ないことをそれぞれ考慮して対象外になっているだけのような気もするのだが、両機とNGのピクルフォークの設計の違いがわかったら教えてほしい。



上図の丸印がL/H後部のピクルフォーク。このように製造時であれば金具全体の目視もできるが、この後、スパーには多くの配管や機器が取り付けられライン整備で当該ピクルフォークを直接目視チェックするのは困難で、ボアスコープでの点検になるようだ。




ホイールウェル内から覗いたピクルフォーク。削り出しの金物で、一見して大きな荷重を受け持っている屋台骨の一部であることがわかる。
ここで亀裂が発見されれば、修理するまで飛ばせないことになるが、主要構造部材の修理交換だけにかなり、やっかいなものになりそうである。
NGシリーズは世界の空で6800機も飛んでいる。今後、さらに経年によって、どのくらい機齢やサイクル数の機体にも亀裂が発見されるのかにもよるけれども、エアラインのドル箱路線に与える影響、修理に当たっての期間も費用に関しても膨大で、今後MAXの復帰問題を抱えるボーイングにとって頭の痛い問題のひとつになりそうだ。

国内のJTA機に関してはー400の後継機としてB737−800NGを新機12機を導入したばかりであり、現時点において点検対象になる機体はないが、ANAHDでは対象機が8機程度ある模様で、これらについても今のところ亀裂の存在は報告されてはいないけれど、問題が飛行安全に関わる重要部位であり且つ経年に伴う疲労問題であることを考え合わせるとB737NGシリーズを運行するエアラインにとって将来に向けて時限爆弾を抱えることになりそうだ。
今後あがってくる点検の結果からその原因や特定の製造ロットが確認されれば、将来の可能性の予測したり、あらかじめ手をうつこともできそうだが、現時点では全体像をつかむことは難しく今後の調査結果を待つしかない。


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MAX事故から見えてきた航空安全の危機
2019/10/04 17:22:37 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 MAX問題

シアトルタイムズの記事によるとボーイング社は安全に関するエンジニアの改善提案を無視して納期、コストを優先して応じなかったと報じています。
疑惑のMCASの設計の裏にあるコスト優先の社風に疑問が投げかけられているといえるでしょう。




2018年10月のライオン・エア610便墜落事故、および2019年3月のエチオピア航空302便墜落事故は、運航機材だったボーイング 737 MAXのシステムに問題があったことが指摘されています。このことについて、ボーイングのエンジニアがシステム改善による安全性向上を求めたものの、会社幹部が納期やコストの問題から「妥協した」ことが明らかになりました。

この情報によると、ユーイング氏は過去の墜落事故を調査し、その結果を反映してより安全な機体を作るという仕事をしており、2014年ごろに737 MAXについての安全性向上策を提言したそうです。しかし、導入を進言した新システムは「コスト、および訓練によるパイロットへの影響」を理由に3度にわたって却下されました。3度目は、チーフ・プロジェクト・エンジニアであるマイケル・ティール氏から却下を言い渡されたとのこと。もし安全性向上に舵を切っていれば事故は未然に防げた可能性が高いとユーイング氏は記しており、同僚3名も同意見でした。





そこには熾烈なエアバス社とのシェア争いから、納期・コスト削減が優先され、航空機メーカーとして削ってはならない安全マージンにまで削減対象が及んでしまった様子が伺えます。
パイオニアとして長年にわたり航空業界をリードしてきたボーイング社ですが、質の高い開発力を担ってきたシニア・エンジニアたちの改善の提案を受け入れなかったばかりか、コストがかかるとして切り捨ててきた経緯が明らかになりました。





また今回、相次ぐ墜落事故の鍵となったMCASの扱いなど、型式証明取得における手続き上の明らかなミスに気づくことなく承認を与えてしまう原因となったFAAとの不適切な関係も問われることになりました。
もしミスに気づかなかったのあれば技術力やチェック体制を疑いますし、マニュアルへの記載やパイロットへの情報開示、訓練方法の不備が意図的であれば組織的な隠蔽を疑われても仕方がありません。
初回のライオンエア墜落事故後の対応からすると、経営者の中に技術者の忠告に耳を傾ける人材が居なかったように思います。
この事故の発端はAOAセンサーの故障でしたが、多くの技術者によって片側のセンサーからしかリファレンスしていないデータソースやMCASの不適切な設計については指摘されていたのですから、今までのボーイングやFAAの体制であれば少なくとも2度目の事故は未然に防げたでしょう。



 EASA executive director Patrick Ky 


こうして相次ぐ事故で346人の尊い生命を失っただけではなく、FAAのお墨付きさえあれば世界の空でも大丈夫であるという米国の世界的な権威も同時に失われたことで、業界の力関係に変化がおきています。
特に欧州のEASAとの関係が変化しています。
EASAはMAXの飛行再開についてFAAが承認したとしても、独自に安全を確認してからになるという見解を明らかにしています。
こうした状況から、MAXの世界の空への復帰の道のりは未だ見通せない情況にあります。


こうした米国の絶対権威が揺らいだことによってMAXに限らず今後、開発される新規航空機の耐空性審査、認証のプロセスに今後、変化が生じてくる可能性があります。
これは日本の三菱スーパージェットなど他国に販売する予定の航空機の型式証明についても気になる問題です。



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