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B737MAXの安定性の問題
2019/09/01 11:20:23 ブログカテゴリ オタク | 書庫 事故調

インドネシアに続きエチオピアでの墜落事故以降、飛行停止となっているB737MAXの問題は今後の航空機開発に与える影響も大きく、関心をもっているけれど、多くの訴訟を抱えていることもあってかあまり詳しい内容が報道されない。
そんな中で重要なポイントについて的確に指摘し説明してくれるのがこのおじさんだ。




blancolirio channelのJuan Browne さん


ご本人が種々の飛行機を乗りこなしてきた経験豊かなパイロットということもあって、この方の解説は冷静でとても説得力があり、説明に使う資料も豊富で見ごたえがある。
製造したボーイングからは原因に類することは発表されず今年中に空に戻すような現実無視の夢語りしか聞かれないので本当の技術的な問題について解説してくれる彼の見解は今、とても貴重だ。





直接の事故原因となったMCASについては、この石垣空港メモリアルでも都度、報道された情報をもとにその功罪について検討し意見を述べてきた。
事故詳細については事故調の結果を待つしかないものの、一連の事故原因には型式証明取得の過程に欠陥があることは間違いない。
また、その一連の開発経緯にはエアバスとの販売競走での焦りや、経済重視の考え方から危険な設計をしたボーイングにも、まともな審査もしてないFAAの態勢にも問題があることを確認してきた。
ただ、こうした傾向はこのMAXだけの話しなのだろうか?他の機体の安全性にも波及する問題はないのだろうか?
今回はひとまず、現在の航空機開発で重要となる設計思想について考えてみたい。
このビデオではMCASを導入せざるを得なかったそもそもの機体の空力特性についてBrowneさんが興味深いグラフを示して解説をしてくれているので紹介したい。




MCASが必要になった理由は、このグラフにある

これは横軸にAngle of attack(迎え角)を縦軸に重心周りのCm(モーメント係数)をプロットしたグラフで機体の縦の静安定を示している。
縦のモーメント係数はマイナスが頭下げを意味するため、迎え角を増やした場合にピッチングモーメントはマイナスになっていれば縦の静安定はプラス。すなわち右肩下がりであれば縦の静安定を有していることがわかる。これでいうと(赤い線がMCASなし)確かに迎え角12度までは正常だ。
しかしながら迎え角を12度よりも大きくしたら怪しくなってくる。14度を過ぎたあたりでは逆転現象もみられる。
これが迎え角の増大により、失速角付近でLEAPエンジン搭載によって大きく前に突き出たナセルに揚力が生じ縦の静安定を阻害している原因と思われ、従来の機体との整合性を図るためにMCASを搭載せねばならなかった根源的事象ということが出来るかと考えている。
かようにしてその意図はわかったし、MCASを介在させて緑のラインのようにしたかったのは分かるが、問題はその方法にある。本来意図したように設計がされたとは到底、思われないのだ。



AOAセンサーの情報をもとにMCASはきわめて乱暴な制御をする。パイロットから勝手にエレベータの権限を奪い取り、10秒間機械的にダウンの操作をし、5秒待って達成しないと、これを操縦者の意志に反してただただ繰り返す。システム上、壊れたAOAセンサーを正常な側に切り替えることもできない。これが本当にボーイング機か・・・






そして操縦力線図ではこんなことになっているらしい。
MCAS作動により操縦力とピッチも耐空性が求めるリニアな関係になっていないのだ。
しかも、今回の2つの事故で共通していることは、実際に窮地に陥った際の迎え角は両機とも失速角ではなくAOAセンサーの誤作動により、ずっと小さな迎え角時にこの状態に入り、頭を下げ、まっさかさまにダイブしていったのだ。




この状況はRUNAWAY STABと呼ばれ従来から認識はあったようだ。パイロットはそんな場合には、この赤丸内にあるスイッチを切れと教わっっていた。
インドネシア機ではそれをしなかったため、パイロットへの教育不足とされた。アメリカの質の高いパイロットならカタストロフは避けられたはず、だと。
しかしエチオピア機の場合では、パイロットは指示にしたがってスタブトリムスイッチを切ったのだ。
にも関わらず、姿勢を回復することができなかった。もはや離陸出力で失速角でもない機体の飛行速度は人力でトリムできる操縦力範囲にはなかったのだ。
これを回避するには、一旦、コラムを戻してたるみを作った後にトリムホイールを操作するローラコースターという手法しかないが、高度がないエチオピア機ではその余裕はなくVmoを超える速度でやれば機体を破壊しただろう。
ハドソン川の奇跡で有名になったサリー・サレンバーガーも、けしてあってはならない事故であり、現状の設計であればアメリカを含め世界中のどこでも起こる事故だと公聴会で語っている。
一方で同じ事故がエアバスでも起こるかといえば起こりそうにない。
Browneさんの指摘どおり、ここにはエアバスとボーイングの設計思想の違いがあることも事実だ。
最終決定権は人間側にあるとするパイロット中心のボーイングの思想に対してエンベロープを越えるようならパイロットの指示を切り捨ててでもコンピュータに機体を守らせるという思想だ。
しかし一方で機械は壊れることもある、またプログラミングされていない不測の事態には対応できない。膨大なプログラムをミスなくチェックするのも大変な作業だ。実際に初期のエアバスではパイロットとコンピュータが喧嘩になり落ちたことも度々だった。
しかしMAXと異なりエアバス320のAOAデータのソースは複数あり、人からコンピュータへとの潮流の中から学んでいるのも事実だろう。

果たしてどちらが良いのかは今後も議論が長く続くはずだが、航空需要の伸びでパイロット不足は深刻という状況では機械への依存が高まるのは必至だろう。
またMCASが耐審基準にも合致していた当初の思想が反映されず、これほどズサンなシステムとして世に送り出てしまった背景には開発にあたった専門職の他の部署への配転や後任に経験のない人間をあてててしまったなど人的要因もあったようだ。
操縦でも設計でも人に頼るのでれば、頼れる人を企業は大事にしなければいけないという教訓でもあろう。

そしてこのBrowneさんは、巡航時の経済性を高めるため尾翼の下向き揚力を減らし安定性を犠牲にしてまでCGを後方に下げ、CCVの戦闘機並みに不安定にさせている要因も指摘している。
すべて金。コストのかかるシニア技術者を切ってしまったボーイングCEOの無能ぶりは目にあまる。
人命、経済性、設計過程についても今一度、総合的に判断して見直しする必要があるのではないかと思う。
明らかな機体設計の不備で連続事故を起こした航空機MAXはコメット以来の逆エポックではなかろうか。346人の命が奪われたことへの責任問題とは別に人の命を託せる安全な航空機はどうあるべきかを我々は学びなおすべきだ。


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MAXシミュレータが成田に
2019/08/04 09:39:58 ブログカテゴリ オタク | 書庫 事故調

 成田空港に隣接する航空科学博物館が、開館30周年を迎える8月1日にリニューアルオープンしたそうだ。
開館30周年を記念して目玉のひとつとして今回、設置されたのが、なんと今、運行停止措置が取られているB737MAXのシミュレータだそうだ。
タイムリーな話題性と若干のブラックユーモアとの思いを禁じえない。





 航空科学博物館は、日本初の航空専門博物館として1989年8月1日にオープン。成田空港の地元である芝山町の要望で建設され、これまでに約600万人が訪れた。今回のリニューアルで、成田のA滑走路(RWY34L)を模した玄関アプローチが新設され、フライトシミュレーターなど体験型の展示スペースとして、体験館がオープンする。



航空科学博物館にオープンする体験館に設置された737 MAXのシミュレーター

もちろん、このシミュレータ導入を計画した当初は、まさか後に2度の大事故を起こし、そのMAXの事故原因として耳目を集めることになるなど思いもしなかったに違いない。

LEAPエンジン搭載によってクラシックにもNGにもなかった失速を強引に抑えるMCASを加えた上、シミュレータにはこのMCAS機能は再現されておらず、パイロットには十分な周知も訓練もされないまま進空させたことが多くの人命を奪うことにつながったことを考えるとこのシミュレータの展示から複雑な気持ちが沸き起こる。意味深な展示だ。

もっとも、シミュレータで遊ぶ子どもたちのどれだけがそんなことを知っているのか、否、実際に気にする子など多くいないだろうが、設置した側はどう思っているのだろうか。ちょっとイジワルな質問をしてみたいところだ。

他の展示をみてみると同時公開の777のシミュレータは簡素で、MAXに力が入っていることは明白なので、事故にともなって集客の目玉になるシムまで運行停止するわけにも行かなかったのだろう。

エアラインのシムにさえ搭載されていないのだからMCASがなかったといってこれはMAXじゃないというクレームの心配は無用だ。であれば、トランプ大統領のツイッターのように改名するまでしなくても、MAXの文字を消してB737−800として出す選択肢だってあったのではないかと思われるが、どうだったのであろうか。




もちろんアクチュエータもついていない固定式のシミュレータだと思われ、問題のMCASの機能も再現できるとは思われないが、コクピット自体はリアルに再現されている。
実際に飛べないMAXのスキル維持に使えるのかは分からないが、夏休みイベントとして現在はプロでさえ実際には飛ばせないMAXを夏休みに操縦してきた。そう、日記に書けるのは大きな魅力になるのかも知れない。



MAXのシムに比べるとかなり簡素な777のシム






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飛行機設計は猫でもできる?
2019/07/04 11:57:23 ブログカテゴリ オタク | 書庫 事故調

737MAXの欠陥ソフトウエアは低賃金、大学を出たばかりの臨時社員が開発





墜落原因がほぼ確定的になってきているにも関わらず、その後のボーイング、FAAの対応を見ていると、この人たちはMAXを本気で安全な航空機に再生させて空に戻す気があるのだろうかと大変、気にかかる。
発注キャンセルドミノを収束させ、とりあえず株価を戻すことだけが使命と考えているのではないか?そんな危惧を覚えると同時に、なぜ、ここまで多くの専門家が真の事故原因に迫り、根本にあるMCASの設計問題について不備を指摘しているにも関わらず、これ以上墜落事故を起こさせないために必要な技術的見解を製造責任を負うメーカーであるボーイング側から示さないのかを不思議に思っていたところ、こんな記事がすっぱ抜かれてしまった。

ブルームバーグは6月28日(現地時間)、ボーイングとそのサプライヤーは737MAXのソフトウエアの開発とテストの一部を臨時社員に行わせていたと報じた。これらの臨時社員そのうちの何人かは大学を卒業したばかりは、インドのテック企業HCLテクノロジーズとCyientの社員、もしくは契約社員だった。

テスターや開発者の中には時給9ドル(約990円)の人もいたとベテランエンジニアはブルームバーグに語った。ボーイングの元フライトコントロールエンジニア、リック・ルトケ(Rick Ludtke)氏は、アウトソーシングへの移行はコスト削減のためと語った。

「ボーイングはコスト削減のためにあらゆることを行った。ピュージェット湾からの移転などを含めて、考えられることすべてを。なぜなら我々は非常に高コストになったから」とルトケ氏はブルームバーグに語った。

「ビジネスの観点から見ると、すべてよく理解できる。だが、時間の経過とともにボーイングの設計者の能力は徐々に低下しているようにみえる」

737MAXのソフトウエアの欠陥は、2018年10月と2019年3月に2件の墜落事故を起こし、346人が死亡した。737MAXは3月の墜落事故の後、世界中で飛行停止となり、第1四半期、事故に関するボーイングの費用は10億ドル以上にのぼった。

ボーイングの元ソフトウエアエンジニア、マーク・ラビン(Mark Rabin)氏は、全員参加の会議でマネージャーが、シニアエンジニアはもはや会社に必要ないと告げたとブルームバーグに語った。

「数百人のシニアエンジニアでいっぱいになった部屋で、もう必要ないと言われてショックだった」とラビン氏は語った。




それは、うすうす感じていたことでもあり、もっとも危惧していたことだ。
設計者の能力の低下、これは製品を見ると明らかだ。
ボーイングは利益誘導のスキルに長けた経営陣だけが力を持ち、航空機設計のもっとも重要な部分を過去の資産に依存したり、アウトソーシングしてしまい実質的に空洞化しているのではないか?
新機開発に際して社内の意思決定の場にまともな技術者が意見を言える環境があれば、遠回りでもエアバス320neoに対抗できる新しい航空機のアウトラインを示していたはずなのだ。
やむなく従来のB737を改修するにしても、もう少し注意深いアプローチをしたはずだし航空エンジニアであれば天下のボーイングがあのようなド素人でも分かる間違いを犯すはずはなく、その過ちに気づくために346人もの尊い犠牲を払う必要などなかった話なのだ。

また、お墨付きを与えるFAAもこの内部状況をわかっていてボーイングにまる投げだったのであれば、最高権威として君臨してきたFAA承認には今後、紙ぺら同然の価値しかなくなるということに早く気づいてもらいたいものだと思う。

重大インシデントを起こす原因となった組織の問題に真摯に立ち向かえていない企業。本来ならば会社を清算して出直すところだろうが、ボーイングは大きすぎて誰にも潰せない。
軍事はもとより民間航空運送事業全体の屋台骨が揺らいでしまうくらい世界の航空に影響力を持ち、地球上で必要とされている企業なのだ。それはライバルであるエアバスでさえ認めている。
いまMAXの注文が全部エアバスになだれ込んできても処理できるスケールではない。また世の中の飛行機がみんなサイドスティックになるのを大手を振って万人が歓迎しているわけではないはずだ。そういう客観情勢を一度、達観してしまえば、やるべきことはおのずと見えてくる。

今、やらなければいけないことは、バイトにソフトウェアをいじらせてお茶を濁すような瑣末なことなどではない。
これ以上、経済的な痛手を深めないためMAXを一日も早く空に戻そうと焦って、また失敗することは、もう許されないのだ。
急がば回れ。時間はかかっても安全な航空機の設計製造という本分に立ち返り、裏口入学をさせてしまったMAXには真の耐空性を確立させてあげることだ。

イメージの悪くなったMAXをその名称から外す動きも噂されているが、それはMAXの持つ基本的な欠陥や生い立ちに厚化粧させて一般人の目からごまかす行為に他ならない。
飛行機が地上に居る間は人は殺さない。僭越ではあるが、MAXには正門から入って受験をし、正々堂々と滞空証明を得た上で空に復活してもらいたいと切に願っている。

こんなボロボロのボーイングの姿を見るのは辛いが、きっとできるはずだ。女に溺れ酩酊していたタイガーウッズの復活を暖かく迎えた国なのだから。


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B737MAXは空に戻れるのか?
2019/05/19 13:57:56 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

日本国内ではあまり報道されませんが、米国国内のメディアさえ、もう運行停止が解除されて空に復帰したとしても搭乗は避けた方が良いのではないかとの論調が目立ってきたB737MAXについて思ったことを書きたいと思います。





そんな不信の最大の原因は、今まで豊富な実績を積み上げ世界の旅客機市場を牽引してきたボーイング社や厳正な審査をして型式証明を与えてきたFAAへの信頼の失墜だということです。

ボーイングという押しも押されもしない大航空機メーカーと泣く子も黙るFAA。FAAが良しといえば世界が従う威厳。
とりあえず彼らに任せておけば大丈夫!そんな安心感の喪失であり権威構造の崩壊だ。

なぜ世界的信用のあった彼らが今回に限ってはこんなにも事故原因に対して真摯に向き合うことができないのかを考えた場合、やはり彼ら自身に多くのやましいところがあると判断せざるを得ないのではないか。
事故後、真っ先にに覚えた「え?FAAは独立した機関じゃないの?」という違和感が、その根っこに存在し続けている。
この疑問が解消されるどころか、その後の多くの報道によりボーイングの承認部門だったことが白日の下に晒されてまったのだから。

少なくとも航空機開発の現場にいるプロである彼らが思考停止してしまっている原因は何なのか?
腐敗した権威構造の裏で隠していることが山ほどあるので、つじつまが合わないことばかりなのではないのか?
傍目から見て、ちょっと常識的には考えられないナゼ?ナゼ?だらけなのである。





例えばWHY?をいくつかあげると


なぜインドネシアのJT610が海に墜落したときに、多くの専門家により最初から指摘のあったMCASについて、まともな解釈や対応を行わなかったのか?


なぜAOAセンサーからの誤信号がMCAS作動による急降下のトリガーになっていることは分かっていたのに冗長性の無いシステムを放置した上、AOAセンサーが1つフェイルしたらどうなるかというFMEA解析もされていない審査上のポカに最近まで気づかなかったのか?


なぜ、インドネシア機の事故に関してボーイングは技術的に想定される事故原因に言及することもなく、根拠のない安全神話だけを盲目的に繰り返したのか?


なぜ、機体の空力特性上も操縦操作上も既存のB737シリーズと大きく異なるMAXに装備されたMCASについてパイロットが周知を望んでいるにも関わらず知らせず、シミュレータ訓練も行わなければマニュアルにさえ記さなかったのか?


なぜJT610事故後の対応としてADでRUNWAY STABILIZERについてSTAB TRIM CUTOUTの項目をつけ加えただけでその後の安全が確保できると考えたのか?


そして相次いで起きたエチオピア機の事故でも真っ先に疑われたMCASについて多くのメディアが取り上げているにも関わらず、なぜ相変わらずの安全神話にすがり他の国々が運行停止にするなか飛行を継続させようとしたのか?


インドネシア機の時とは違い、事故後に発行されたADの手順に従ってパイロットは操作したにも関わらず、なぜエチオピア機も墜落を避けることができなかったのか?
その直接的な答えは回収されたCVRに残されていると思うがなぜ公表しないのか?


エチオピア機の想定でアメリカ人パイロットがMAXのシミュレータを使い事故を再現したところ、姿勢回復までには8000ftの高度低下を伴ったという。事実だとすれば高度余裕のなかったエチオピア機の場合、墜落はパイロットに責任はなく機体設計の問題と思うが、見解が示されないのはなぜか?


MCASが審査対象項目にすら入っていない耐空性審査には明らかなミスがあり、現在MAXは耐空性を保持していないのは明白なのに、他の潜在ミスも含め審査をやり直すという正規手順の前にMCASのソフトウェアをいじって飛行試験までしている根拠はなんなのか?


航空に関してそれなりの製造スキルを持つ国々、とりわけMAXのライバルであるエアバスを率いる欧州勢EASAはこのMAXの耐空性についてはどう見ているのか?


少なくともAOAは二系統からの入力にする、不足する縦静安定に関しては尾翼の改修設計やナセル形状の変更、運用CG範囲の見直しなどなどが必要ではないかと思うが、どこまで見直す気があるのか?

ライバルであるエアバスはこの機に乗じてA320neoを売ろうとはしていない。
製造現場のキャパの問題もあるがボーイングの安全性問題が航空機全体の信用に波及することは避けたい。また双方がそこそこで共存する方が業界の利益では最大になるとの深遠な読みがあるらしい。とすれば、MAXをあまり根本的な対策をしないで空に戻すことを期待しているのは実はボーイングだけではない可能性がある?






・・・・・・

他にも知りたい疑問は山ほどあるが、この案件が今後の航空機開発の現場を大きく揺さぶることは間違いなく、ボーイングにしても米国にしても事故の影響でB777Xのお披露目にもケチがついたわけだし、軍事、通信に限らずこの分野でも覇権を握りたい中国にはかっこうの題材を与えてしまったわけで米国としては失策であると同時に原因がオウンゴールだったことは否めない。

技術的な問題についてはある程度、予想はつくものの、水面下でのかけひき、国際政治、企業経営、コスト管理、株価動向には疎いので私にはどうなるのか分かりません。
私にも分かるのは本当に安全で良い飛行機を作るには、少なくとも事故原因の正確な分析が必須だということ、そして現在の関係者たちの言動には根本的な是正をする姿勢に欠けているということです。
起きている事態の大きさを考えると単にソフトウェアをバージョンアップして解決できるような問題ではなく、目先の損得勘定で動くと文字通り命取りです。
事故後に集まったボーイングの理事会にはMCASを知っている人材がいなかったということですが、自社の主力製品を知らない役員だけで対応を協議したのかと思うと怖いことです。
まずは事象を客観的に評価することのできる人たちからのアドバイスに耳を貸すこと、それがボーイングという会社を存続させる道ではないかと思います。

最近ではAIに依存した経済的なパイロットの育成により、人間パイロットの質は年々低下しているらしく、こうした機械vs人間の格闘においてはいち早く機械に依存し、多くの事故経験を糧に成長してきたエアバスの方が有利であるとも言われ、行きすぎたMCASを少し人間側に戻すボーイングの改修案がまたさらにエアバスへの偏重を生むとも言われています。
この1960年代のアナログ機の限界を超えてデジタルを接木した中途半端なMAXの行方は誰にも分からなくなっているというのが実情なような気がします。

あとは何度も事故を未然に防止する機会がありながら、ずさんな対応で命を奪われた方々のご遺族、今後も乗る乗客や操縦するパイロットが、この飛行機についてそれぞれどう考えて行動するのかといったことがMAXの将来を決めるのかも知れないですね。





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VERGEが与えてくれた解釈
2019/05/03 13:16:14 ブログカテゴリ 日常 | 書庫 事故調

先日来、現在、運行停止が続いているB737MAXに関して国際的な合同審査が開始されているはずですが、入ってくる情報はボーイングのCEOマレンバーグの寝言ばかりで、事故の核心に迫るものがないと落胆していた。

根拠のない安全神話の繰り返しは無意味だし、私が知りたいのは、相次ぐ2度の墜落事故による経済的損失や運行停止による株価への影響などではない。
本当に安全な航空機を設計製造するには、今後、何が必要なのかということだ。


そんな状況のなか、このTHE VERGEというサイトが、今までの経緯を詳細に、且つ、重要なポイントをまとめて書いてくれていたので紹介しておきたい。
残念ながら英文で私の理解が及ばないところは多々あるものの、とても本質的で重要なストーリーが書かれているので、興味のある方は是非、原文でお読みになり、より深い部分を確認していただけたらありがたい。




今までのインドネシアとエチオピアでの2つの重大事故の概要や墜落の直接的な原因となったMCASについての説明部分は、この石垣空港メモリアルの中でも過去に散々、述べてきているのでここでは省くけれど、この記事の中で非常に重要なのは、その背景にあるエアバス社とのライバル関係において至上命令でもあった開発期間やコスト削減の強い要望、そしてこのMAXを既存のB737と同一機種として設計製造したボーイング社と型式証明を与えた審査手順やFAAとの不適切と思われる関係の部分であると思う。
これが今回の4月29日より開催されている国際的な合同審査でも検証されねばならない部分の核心だと思うのである。



そもそも、この報告によると型式証明の審査項目の中にMAXが従来のB737シリーズと最も異なる点であろうMCASの記載そのものがないのだという。
このMAXで追加された新しい機能について的確に審査されたか否か以前に、項目がないのですと?ちょっと驚く。
すなわち、そのメカニズムがフェイルした場合の結果に鑑みて、この項目をどこに入れるべきかという以前に眼中になかったということになる。マジか。
FAAによれば他の飛行機と同じ基準で審査したとか、ボーイングは我々はこの飛行機をより安全にする方法を知っているとか言っていますが、その機能自体が審査の対象にもなってないのでは、ハナからお話にならないではないか?
この件に関してマレンバーグはどう言い訳をするのだろう。





なぜ、そうまでしてMCASを隠し立てするのか、もしくは気づかないフリをするのかといえば、A320neoとの格差を埋めるのに本来であれば10年かかる新機開発の期間を6年で済ます手段として必要だったからではないかという。
また同一機種とすることでパイロットの切り替えコスト大きく削減することができることもあわせて重要な要因と考えられるのだ。
これらは今のところ、あくまでも状況証拠的ではあるものの現実に起きた事柄との整合性を踏まえると十分考えられる動機のように思われる。
更にもっと言ってしまえば、エアバスが先行しているフライトコントロールにコンピュータを積極的に介在させる技術を自社機にも取り込まざるを得なかった事実を広く一般に知られたくないという心理も働いていただろうことも容易に想像される。






また、型式証明を与えるにあたり耐空性を審査するための安全上の基準が定められているわけですが、これに従って当該事象、すなわちMAXのAOAセンサーがフェイルした場合のシステム設計の妥当性を評価すれば、上の図の左上の黒丸の場所に来るという。
すなわち「UNACCEPTABLE」となり、現時点でMAXは耐空性基準を満たしてないってことになるのだそうです。
以前もAOAセンサーの一つがフェイルした場合に、正しい反対側へと入力ソースの切り替えができない設計は航空機としては妙だと書きましたが、ここにその原因があったわけです。

以上の事柄がすべて事実だとすれば、まともに審査をすれば飛べない機体であるのは明白であり、B737MAXは型式証明取得の手順上に重大な見落としがあったことを示しています。
さらにはその不完全な審査で耐空性に適合しない機体を飛ばした結果、半年に2度もの重大事故に繋がったという時系列のおおよそが、推論とはいえ、ここまで来てやっと系統的に理解できるわけです。


国際的な合同審査では、こうした経緯について慎重な調査が行われ明らかにされた事実関係をもとに対策について議論をされ、この機会を通じて今後、どのようにしたら安全が確保された航空機だけを空に送ることができるのかを世界中の航空機を運用する最高のブレインたちによって指針を示していただけたらありがたいと思うのです。







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