ANAが大型機削減
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コロナ禍で大きな打撃を受けている航空業界、どこも空前の赤字を計上しているが、とりわけオリンピックに向け国際線を拡大し、投資してきたANAHDの今年度の赤字幅が5000億を超える見通しとなり、給与の3割減、冬のボーナスカット、希望退社や長期休暇の薦めなど、生き残りへの様々なリストラ策を講じてきた。 ![]() 全日空、大型機25〜30機削減 全日空は21日、主に長距離国際線で使う大型機25〜30機を削減する方針を固めた。リースを含め約60機の大型機を保有しており、半減させる。現在の航空業界の状況では売却の際、取得時の価格よりも大幅に安くなることが想定されるため、まずは帳簿上の価格を引き下げ、評価損を計上する減損処理を20年9月中間決算で行う。大型機は小・中型機に比べ燃費が悪く、整備費用などもかかるため、リストラ策の柱とする。コロナ禍で拡大路線は巻き戻しを余儀なくされた。 成田、羽田、中部、関西の各空港の国際線はすでに大多数を減便しているが、需要回復時には羽田の発着便から優先的に再開する方針。 共同通信社 ![]() そして、国際線の再開の見通しがたたず経費のかさむ大型機から保有機材の半数近くを売却するとしていいる。 ![]() 売却される大型機とは、B777でー200型は乗客の多い季節、余剰機材を使って南ぬ島石垣空港にも定期的に姿を現していた。 その圧倒的な大きさ、胴体後端で直線に収束する独特のスタイルやハモるエンジン音などでひときわ目立ち、空港に近づくとB777の垂直尾翼の先端でいち早く空港に着いていることがわかったものだ。 具体的に、どの機体が対象になるのかは分からないが国際線用であっても今後しばらく、もしかしたら数年先まで、このB777の姿を石垣島の空港で見ることはできないのかも知れない。 ![]() 国際線でJALを追い越し、東京オリンピックを見据えたインバウンドの伸びを見越しての投資が今回、あだになってしまった格好だ。 また比較的国内線の多いLCCの方が復活が速かったりもするのかもしれないが、今、国内で人気の観光地、沖縄県も石垣島も医療崩壊の危機である。 後ろ髪をひかれるようなキャンペーンではなく、まずは安心して人が移動できる確実な検査体制が経済を回復させる上でも必須だと思う。 誰もがこんな2020年を予測したものは居なかったが、小説よりも奇な現実を前に多くのものが壊れ、苦悩しながらも受け入れ、変わろうとしているのだ。 人生塞翁が馬、好事魔多し、一寸先は闇。人間の予定はあくまで人間の立てた予定。自然界に人間の都合は通じないということなのだろう。エネルギーの浪費も含めて右肩上がりの航空需要をただただ喜んでいたことを反省させられる。 絶好調なときほど、隠れたリスクについて思いを巡らし、何事にも注意深くあらねばならないというご教訓的なものを感じずにはいられない。 ![]() ANAは国民の足でもあり、社会的なインフラでもある。つぶすわけには行かない。 新型コロナ対応のリストラ政策には今後、本当に必要なものなのかを吟味しながら、経済のみではなく環境と安全と幸福度が最大になるような配慮が望まれる。 ![]() ![]() ![]() |